Toby Elliot氏のblogでアナウンスされた、IPGとMTRの変更についての記事の和訳です。各文書の発効日は下記「新しい文書」内の日付をご参照下さい。

原文はこちら
https://blogs.magicjudges.org/telliott/2019/07/08/policy-changes-for-core-2020/
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新しい文書
IPG
https://wpn.wizards.com/sites/wpn/files/attachements/mtg_ipg_12jul19_en.pdf

MTR
http://wpn.wizards.com/sites/wpn/files/attachements/mtg_mtr_12jul19_en.pdf
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邪悪な計画。青く象られた人影。通りに虐げられた死体。窮地を脱するには犠牲はつきものである。

そう、ナーセットは非常に興味深い。

ナーセット
多くの人々がナーセットに、さらに一般化すると、灯争大戦のプレインズウォーカーの常在型に、困惑している。彼らは非常に忘れられやすいことが判明したし、その内のいくつかはゲームのルールを直接変更している。彼らはジャッジを呼ぶ機会と〔ゲームルール抵触行為〕(もしくは、ナーセットにおいては〔非公開カードに関する誤り〕の違反)を頻繁に作り出している。

これらの片方、もしくは両方の問題をどの様に扱えば良いのかということについて、意思疎通規定の改良からプレイヤーの責任の範囲を根本的に変更するに至るまで、沢山の提案を受け取った。最終的には、軽く手をつけるに留めることが賢いように思えた、上手くいけば物事がスムーズに進むようになる。

第1段階、はナーセットを〔非公開カードに関する誤り〕から取り除くことだった。ほとんど全員が感じていたことは、関連するカードが戦場にあることを失念するのは非常に容易で、あらゆる問題を防ぐために対戦相手が能動的な役割を果たしてほしかったということだ。これは、《ナーセット》が居るのに《予言/Divination》を唱えようとしたプレイヤーにそれを戻させようと言ってるのではなく、対戦相手に、より事態の修復が困難になる前に何が起きるのかを先取りしてプレイヤーに思い出させてほしい、ということだ。(訳注:変更前のままでは)対戦相手の手札を公開させその中の最良のカードを取り除くことができるというポテンシャルを秘めているために、沈黙が正しい答えとなってしまい、IPGが《ナーセット》をより強いカードとしてしまっている点である。そこで、〔非公開カードに関する誤り〕に1行追加してナーセット(もしくは、ルールを変更するような能力を持つ他のカード)が根本的な原因となっている場合には〔非公開カードに関する誤り〕に当てはまらないようにした。代わりにこのような事態は通常の〔ゲームルール抵触行為〕として扱う。

第2段階は、一方に〔違反の見逃し〕を出す場合に対して両者に〔ゲームルール抵触行為〕を出す場合の基準となる指針の更新である。我々はこれより、関連する要素としてゲームのルールを変更するカードが対戦相手によってコントロールされているかどうかという判断を明確なものとする。これは本能的だし、そのような効果は通常視覚的ではないし、そのようなカードをコントロールしている対戦相手が誤りを直ちに指摘することができなかった場合には、両方のプレイヤーは問題の責任を共有している。

これらの2つの変更により、誰もがみなナーセットが潜在的に秘めているゲームの誤りを早期に見つけるインセンティブを持つことができるし、ひとたび誤りが起きた時も追加措置がこれまでほど懲罰的にはならないと考えている。



〔非公開カードに関する誤り〕が悪いものだと言っているわけではない

《熟達したジャッジ、Kevin Desprez》と私はロンドンで、〔デッキの誤り〕を改良する方法の可能性について議論していた。特に同時に両者に公開される場合などといった、処理ができなかったと考えられていた極端な状況がいくつかあった。さまざまな創造的な解決法を試みて、その中の最善なものを試し…〔非公開カードに関する誤り〕のように見えるものがあった。〔デッキの誤り〕を同じように扱った場合、何が起きるだろうか?上手くいくんだ!

まだ格上げに至る道が2つかある。開始時のデッキよりも同じカードを増やすことは避けられないし、デッキ提示時の格上げはカードが不足した状態で提示することを鑑みると必要である。さらにもう1つ手を加える必要がある。しかし、対戦相手の手を借りることで他の全てが上手くいくのだ。

新しい〔デッキの誤り〕のやり方は、入れるべきカードを並べて、全ての外すべきカードの中から、対戦相手にどれがどれに対応するのか選んでもらう、というものだ。探検の解決中にサイドボードのカードを捲った?対戦相手が本当のカードはなんだったのかを選ぶ。1枚が手札の中にある?対戦相手がどのカードと交換するか決める。

プレイヤーが直ちにサイドボードのカードであることを指摘しないことによって利益を得ることができないように一点調整し、例外とした。サイドボードのカードを対戦相手が見ていて(《強迫/Duress》や《外科的摘出/SurgicalExtraction》、最悪なのは…サイドボードのカードが絶賛プレイされてる最中の場合)、その後それらの知識に基づいて判断が下されていた場合には?この時点でゲームの修正を試みるのはフェアじゃない。しかし、同じような場合の良い先例が〔意思疎通規定抵触行為〕にある。そこで、ジャッジはデッキにないはずのカードを見たことによって戦略的な判断が下されていたかどうかを考慮して、最後の格上げを行うかどうかを決めるというわけだ。


イギリス人襲来

ロンドン・マリガンがやってきた!機能的には小さな変更だが、マリガンのあたりで間違えた場合における、我々の古いルールが適さないようになったので、その項目は改良された。その改良により、私は多くの物事を単純にした。ロンドン・マリガンにおいて取っ散らかるようになる場合には、現実的には2つの手法しか存在しないことが判明した。8枚引いた場合と、ゲームを開始する前にボトムに送るのを忘れた場合である。

8枚引いた場合は簡単だ。もう1度マリガンさせれば良い。カードを送り忘れたのはさらにやりがいがある。対戦相手がなにをプレイしているのかという情報を得ることは利益となる。特に、スタンダードは現在、力線が存在する世界である。最終的に、このような事態は〔非公開カードに関する誤り〕で扱うのが最良ということになったので、ここに送ることにした。


そう、我々には心がある
長年、"遅刻への心使い"について話し合ってきた。たぶん、このアイデアはラウンドが開始した後に席に着くために1分間くらいプレイヤーに都合してもいいのではないかというものだと思う。大きなトーナメントにおいてこのアプローチが問題となるのは、このポリシーで、ラウンド開始の1分までプレイヤーが席に着くのに困らないのでは、ということだ。単に問題は少し先送りになっただけだ。しかし、ひとたびプレイヤーが遅れてくることを許したら?やることは簡単だとわかった。これよりは、最初の1分間に間に合ったプレイヤーには格下げの【警告】を与える。もちろん、もう1度起きた場合には、【警告】を与えることになり…〔トーナメントの誤り〕の格上げによって【ゲームの敗北】へ格上げとなる。


情況認識

何人もの人々が、正直に答える必要がある種類の情況情報のリストに加えるべきものを指摘してくれる。その内2名が、マナ・プールに残っているマナを情況情報に加えるよう提案してくれた。これはとても理にかなっている。プレイヤーには、浮いているマナを宣言するよう要求はしており、それがしばらく持続するなら視覚的に表現してほしいと本当に思っている(プレイヤーが口頭で追跡しようとしているのを見たことがある。うまいやり方とは思えないな)。よい副作用として、X呪文の手順の省略の必要性がなくなったというものがある。情況情報としてのマナが、あなたのためにこれを取り扱うのだ。

クイックヒット
・領域変更-やり直し誘発のルールの言葉遣いが更新され、オブジェクトが向かう先の領域がもともといた場所と同じでなくてもよくなった。例えば、《騙し討ち/Sneak Attack》の遅延誘発型能力が忘れられることはない。
・〔過剰なカードを見た〕が前回の更新で調整され、事故で見てしまったカードにサイドボードのものを含むようになった。不幸なことに、《ボーマットの急使/Bomat Courier》とその仲間たちについて混乱させるものとなった。今回、さらに小さな更新を施し、追加措置をライブラリーからカードを見た場合に制限した。
・厳密には、プレイヤーがターンをパスしたとき、対戦相手が戦闘後メイン・フェイズの優先権を保持して行動し、時間切れになるまでターンを保つということが可能である。これは、明白に新たなマッチ終了時の手順のポリシーの意図と反している。そこで、調整を施し抜け穴を塞いだ。これよりは、こう機能するだろうと思ってくれた通りに働くはずだ。
・スタンダードにおいて、プレイヤーが事故で冠雪の土地を使用していても問題としない。修正し、ペナルティーは出さない。
・トークンを用いた表示について記述された節は「ゲーム上のマーカー」から「ゲーム上の配置」へより相応しい箇所に移行した。これはつまり、トークンの表示を上手くできずに悪い情報(ダイスを使っててタップ/アンタップの表現が上手くいかなかった場合など)で対戦相手が行動して問題が起きた場合、〔意思疎通規定抵触行為〕となることを意味している。

これらが今回の更新だ。いつも提案や要求を送ってくれるみなさんにありがとう。特に声を大にして、Kevin Desprez、Isaac King、Matthew Johnson、Alfonso Bueno、Joseph Steet、Florian HornとSara Moxらに謝意を。新しい基本セットを楽しんで、それではArcheryの姿が明らかになる秋にまたお会いしましょう。

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