ドミナリアにむけてポリシーの変更
2018年4月24日 ルーリングToby Elliot氏のblogでアナウンスされた、IPGとMTRの変更についての記事の和訳です。各文書の発効日は下記「新しい文書」内の日付をご参照下さい。
原文はこちら
https://blogs.magicjudges.org/telliott/2018/04/23/policy-changes-for-dominaria/
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新しい文書
IPG
https://wpn.wizards.com/sites/wpn/files/attachements/mtg_ipg_27apr18_en.pdf
MTR
https://wpn.wizards.com/sites/wpn/files/attachements/mtg_mtr_27apr18_en.pdf
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今回、IPGとMTRを変更するテキストがたっぷりとあるけど、重要な機能的な変更は1つだけだ。変更の多くは、性別の付いた代名詞を削除したことだ。やったぜ!シカゴマニュアル表記にありがとう!
マジックについて話すときに何を話しているのか
ドミナリアのテーマを踏まえて、歴史についての話をしようか!
コミュニケーションに関するルールは、歴史的に乱雑にならないようにしていた部分だった。 2007年から2009年の間に多くの作業が必要だったが、それらの更新がうまくいった後、私たちはほとんど放置していた。
私たちが放置していたのは、これを記述したときには決して予想されていなかったような新たな情報の一片をも、簡単に取り込むことが可能な構造を提供できるという点で優れていたからだ。例えば、都市の承認を共有情報の範疇とすることは、その定義をわずかに調整するという単純な問題だった。 未来への耐性は私たちが努力しているものであり、コミュニケーションに関するルールは最良の例の1つなのだ。
しかし、答えを提供するということは、最良の答えを提供するということと同じではない。 都市の承認まわりのルールがはっきりしたもので、イベントが発生する可能性があり、宣言する必要もなく、状態が変化しても持続するということは最適ではなかった。君らが盤面を見ても、昇殿するパーマネントの状態を知り得ることはできなかった。理想的には、これを知る方法があるべきだったのだが、コミュニケーションに関するルールはそれを提供しなかったのだ。
4番目の情報の種類を追加した場合はどうだろうか?尋ねられたときには共有情報ではなかったものの、すすんで、表現しなければならなかったものだ。過去、私たちはこのようなことをしていなかった…待て、こないだ私たちはライフの総量についての記述でいくつかの仕事をしなかったか?今回、追加される情報はそれらをも記述する!
なので、追跡して記録される値のセクション全体を引き裂き、共有、類推、そして秘匿、に続く、新たな種類のコミュニケーションにおける情報の分類を導入する:情況!情況情報は、プレイヤーのライフの総量、プレイヤーに付随するすべてのカウンター、および彼らに適用される継続的な効果を含む、プレイヤーに関するメタデータだ。これらはすべて、物理的に表現されなければならず、いずれかに変更が加えられたときにはそれを宣言しなければならない。
より網羅的なコミュニケーションのセクションを構築していたので、私たちはまた、ゲーム内における非言語コミュニケーションを含める機会を得た。現在のルールには、混乱を最小限に抑えるためにデザインされた、カバレッジ用のレイアウトを指定するための文言が存在していた。これは成功を納めたので、コミュニケーションのセクションに統合し、これをすべての競技およびプロのルール適用度のマジックの試合にまで拡張した。これで、カバレッジで見慣れたレイアウトに合わせてゲームのレイアウトをすることが期待できるわけだ。
潜在的なコミュニケーションの問題を全て一緒にまとめたので、それらはすべて同様の方法で処理されることが理にかなっている。以前は4.1節がCPVでカバーされていた唯一のセクションだったが、他の部分でもコミニュケーションに失敗した際の違反も出すのが理にかなっている。 CPVはこれより、セクションの残りも含めて全体をカバーしている。それは実際にはCPVかもしれない!
しかし、これはそのままだと問題を抱えている(あなたが盤面を間違ってレイアウトすると、警告を得ることができてしまう)ので、CPVも改訂した。このことの解決策は、すでに追加措置に存在していた。追加措置には、4節に違反する行為が、その違反が存在しなければ行われなかったはずのプレイの決定を、直接、誘導したとジャッジが信じたときにのみ適用されると書いてある。ここに書かれた定義の代わりに、私たちは、本当に重要なことに重点を置くことにした。すべてが明確で、両方のプレイヤーが互いに理解できる情報(能動的なものと受動的なものの両方)に基づいて行動している場合、厳密に違反があるかどうかの心配はない。それでもまた、一歩踏み込んで、人々に物事をより明確にするように促すことにためらう必要はない。
エムシーの問題
カードの話ではない。 Unな季節はもう過ぎ去ったね。
私たちは2ヶ月ほど前からコミュニケーションの変更の準備をしており、シーズンの中程で発表する用意ができていてイクサランの相克のドラフトにも適用できたはずだった。しかし、できなかったのだ!
ちょっと前に戻ると、禁止カードのリストの発表は、四半期ごとの文書の更新と切り離され、特定の日付には関連付けられてなかった。それは良い!しかしながら、このことは警告なくアナウンスメントが来ることを意味していた。これじゃダメだ!そのため、MTRに節が追加され、更新はその4週間前にアナウンスメントがあることになった。これは理論的には良いアイデアだったが、MTRの他の部分の更新にも同じ要件を課したのだった。プレ-アナウンスは事態を悪化させるだろう(「4週間後、我々はMTRの意思疎通規定の更新を行う予定です」)し、ほとんど意味をなさないものだ。私たちはルールを無視することについて議論したが、それは悪い先例となるだろうということになった。なので、私たちはこの制限と共存すべくMTRを修正した。これより、禁止カードのリストの発表のみが4週間の先行アナウンスを必要とし、MTRの他の部分は必要に応じて更新することができる。
Foiled Again
《反体制魔道士、ケス/Kess, Dissident Mage》はいくつかのレガシーのプレイ中に見かける様になってきた。残念なことに、Foilで印刷されたカードはいくつか、トーナメントで使用するにはあまりにも歪んでいることがある。こういった事態はFoilのカードにそれなりの頻度で起こりえる。通常、これは問題とならず、あなたは単にFoilじゃないバージョンを使用すれば良いだけだ。しかし、ケスにはFoilしか存在しない。
Foilのみのカードの数が増えるにつれ、同様の状況が発生する確率も高まる(そしてまた、この更新にはBuy-a-boxプロモを使用可能にするために必要なルールもある)。その結果、カードがFoilでしか存在しない場合にも適用されるように、代用カードのポリシーを拡張した。これは拡張しただけだ。非Foilで印刷されたことがあるカードの代用カードを発行することはできない。
クイック・ヒット
・デッキとデッキリストの違反には細かな調整がいくつかある。ジャッジが誤りを発見した際については、デッキチェックの間のみ適用される。これが意図するところは、床の上のカードを見つけたのがジャッジまたは対戦相手であるからと懲罰を格上げすることでは決してなかったので、該当する部分の、デッキのカードを発見した場合を反映するように調整された。 「公開しようとしている(※about to be revealed)」という言葉についても、それをよりよく説明するため少しはっきりとさせた。
・リミテッドのGPの混合の土曜日に、ペナルティがリセットされるのは、その日なのか、もしくはカット後なのか、という質問が上がった。複数日にトーナメントが跨る場合には、カット後にリセットされるという決定が下された。
・観客はプロのRELでは試合を停止させることはできない。カバレッジチームのメンバーは厳密にいうと観客だが、職業としてそのゲームを観戦している人間が、ゲームを停止するように求めることができないというのはいささか奇妙である。これを可能にすべく特別な例外が追加された。
・これからはボルト・ジェイスができるようになったので、プレインズウォーカーへのダメージの移し変えのショートカットは必要ない。
・ブロック構築は公式にサポートされなくなった。マスクスブロック構築がなくなって寂しいなら、まだカジュアルなフォーマットとして利用できるよ。
英雄譚の終わりに
今回の更新は以上だ。いつものように、Toby Hazes、David Larrea、Florian Horn、そしてGPのHJたちを含む、提案で協力してくれた皆さんに感謝を。私はみなさんがコミュニケーションに対してどんな新しいアプローチを見つけるのかを楽しみにしているのだが、いつも通り、どのセクションに対してでも提案を聞けるのは嬉しいことだ。
原文はこちら
https://blogs.magicjudges.org/telliott/2018/04/23/policy-changes-for-dominaria/
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新しい文書
IPG
https://wpn.wizards.com/sites/wpn/files/attachements/mtg_ipg_27apr18_en.pdf
MTR
https://wpn.wizards.com/sites/wpn/files/attachements/mtg_mtr_27apr18_en.pdf
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今回、IPGとMTRを変更するテキストがたっぷりとあるけど、重要な機能的な変更は1つだけだ。変更の多くは、性別の付いた代名詞を削除したことだ。やったぜ!シカゴマニュアル表記にありがとう!
マジックについて話すときに何を話しているのか
ドミナリアのテーマを踏まえて、歴史についての話をしようか!
コミュニケーションに関するルールは、歴史的に乱雑にならないようにしていた部分だった。 2007年から2009年の間に多くの作業が必要だったが、それらの更新がうまくいった後、私たちはほとんど放置していた。
私たちが放置していたのは、これを記述したときには決して予想されていなかったような新たな情報の一片をも、簡単に取り込むことが可能な構造を提供できるという点で優れていたからだ。例えば、都市の承認を共有情報の範疇とすることは、その定義をわずかに調整するという単純な問題だった。 未来への耐性は私たちが努力しているものであり、コミュニケーションに関するルールは最良の例の1つなのだ。
しかし、答えを提供するということは、最良の答えを提供するということと同じではない。 都市の承認まわりのルールがはっきりしたもので、イベントが発生する可能性があり、宣言する必要もなく、状態が変化しても持続するということは最適ではなかった。君らが盤面を見ても、昇殿するパーマネントの状態を知り得ることはできなかった。理想的には、これを知る方法があるべきだったのだが、コミュニケーションに関するルールはそれを提供しなかったのだ。
4番目の情報の種類を追加した場合はどうだろうか?尋ねられたときには共有情報ではなかったものの、すすんで、表現しなければならなかったものだ。過去、私たちはこのようなことをしていなかった…待て、こないだ私たちはライフの総量についての記述でいくつかの仕事をしなかったか?今回、追加される情報はそれらをも記述する!
なので、追跡して記録される値のセクション全体を引き裂き、共有、類推、そして秘匿、に続く、新たな種類のコミュニケーションにおける情報の分類を導入する:情況!情況情報は、プレイヤーのライフの総量、プレイヤーに付随するすべてのカウンター、および彼らに適用される継続的な効果を含む、プレイヤーに関するメタデータだ。これらはすべて、物理的に表現されなければならず、いずれかに変更が加えられたときにはそれを宣言しなければならない。
より網羅的なコミュニケーションのセクションを構築していたので、私たちはまた、ゲーム内における非言語コミュニケーションを含める機会を得た。現在のルールには、混乱を最小限に抑えるためにデザインされた、カバレッジ用のレイアウトを指定するための文言が存在していた。これは成功を納めたので、コミュニケーションのセクションに統合し、これをすべての競技およびプロのルール適用度のマジックの試合にまで拡張した。これで、カバレッジで見慣れたレイアウトに合わせてゲームのレイアウトをすることが期待できるわけだ。
潜在的なコミュニケーションの問題を全て一緒にまとめたので、それらはすべて同様の方法で処理されることが理にかなっている。以前は4.1節がCPVでカバーされていた唯一のセクションだったが、他の部分でもコミニュケーションに失敗した際の違反も出すのが理にかなっている。 CPVはこれより、セクションの残りも含めて全体をカバーしている。それは実際にはCPVかもしれない!
しかし、これはそのままだと問題を抱えている(あなたが盤面を間違ってレイアウトすると、警告を得ることができてしまう)ので、CPVも改訂した。このことの解決策は、すでに追加措置に存在していた。追加措置には、4節に違反する行為が、その違反が存在しなければ行われなかったはずのプレイの決定を、直接、誘導したとジャッジが信じたときにのみ適用されると書いてある。ここに書かれた定義の代わりに、私たちは、本当に重要なことに重点を置くことにした。すべてが明確で、両方のプレイヤーが互いに理解できる情報(能動的なものと受動的なものの両方)に基づいて行動している場合、厳密に違反があるかどうかの心配はない。それでもまた、一歩踏み込んで、人々に物事をより明確にするように促すことにためらう必要はない。
エムシーの問題
カードの話ではない。 Unな季節はもう過ぎ去ったね。
私たちは2ヶ月ほど前からコミュニケーションの変更の準備をしており、シーズンの中程で発表する用意ができていてイクサランの相克のドラフトにも適用できたはずだった。しかし、できなかったのだ!
ちょっと前に戻ると、禁止カードのリストの発表は、四半期ごとの文書の更新と切り離され、特定の日付には関連付けられてなかった。それは良い!しかしながら、このことは警告なくアナウンスメントが来ることを意味していた。これじゃダメだ!そのため、MTRに節が追加され、更新はその4週間前にアナウンスメントがあることになった。これは理論的には良いアイデアだったが、MTRの他の部分の更新にも同じ要件を課したのだった。プレ-アナウンスは事態を悪化させるだろう(「4週間後、我々はMTRの意思疎通規定の更新を行う予定です」)し、ほとんど意味をなさないものだ。私たちはルールを無視することについて議論したが、それは悪い先例となるだろうということになった。なので、私たちはこの制限と共存すべくMTRを修正した。これより、禁止カードのリストの発表のみが4週間の先行アナウンスを必要とし、MTRの他の部分は必要に応じて更新することができる。
Foiled Again
《反体制魔道士、ケス/Kess, Dissident Mage》はいくつかのレガシーのプレイ中に見かける様になってきた。残念なことに、Foilで印刷されたカードはいくつか、トーナメントで使用するにはあまりにも歪んでいることがある。こういった事態はFoilのカードにそれなりの頻度で起こりえる。通常、これは問題とならず、あなたは単にFoilじゃないバージョンを使用すれば良いだけだ。しかし、ケスにはFoilしか存在しない。
Foilのみのカードの数が増えるにつれ、同様の状況が発生する確率も高まる(そしてまた、この更新にはBuy-a-boxプロモを使用可能にするために必要なルールもある)。その結果、カードがFoilでしか存在しない場合にも適用されるように、代用カードのポリシーを拡張した。これは拡張しただけだ。非Foilで印刷されたことがあるカードの代用カードを発行することはできない。
クイック・ヒット
・デッキとデッキリストの違反には細かな調整がいくつかある。ジャッジが誤りを発見した際については、デッキチェックの間のみ適用される。これが意図するところは、床の上のカードを見つけたのがジャッジまたは対戦相手であるからと懲罰を格上げすることでは決してなかったので、該当する部分の、デッキのカードを発見した場合を反映するように調整された。 「公開しようとしている(※about to be revealed)」という言葉についても、それをよりよく説明するため少しはっきりとさせた。
・リミテッドのGPの混合の土曜日に、ペナルティがリセットされるのは、その日なのか、もしくはカット後なのか、という質問が上がった。複数日にトーナメントが跨る場合には、カット後にリセットされるという決定が下された。
・観客はプロのRELでは試合を停止させることはできない。カバレッジチームのメンバーは厳密にいうと観客だが、職業としてそのゲームを観戦している人間が、ゲームを停止するように求めることができないというのはいささか奇妙である。これを可能にすべく特別な例外が追加された。
・これからはボルト・ジェイスができるようになったので、プレインズウォーカーへのダメージの移し変えのショートカットは必要ない。
・ブロック構築は公式にサポートされなくなった。マスクスブロック構築がなくなって寂しいなら、まだカジュアルなフォーマットとして利用できるよ。
英雄譚の終わりに
今回の更新は以上だ。いつものように、Toby Hazes、David Larrea、Florian Horn、そしてGPのHJたちを含む、提案で協力してくれた皆さんに感謝を。私はみなさんがコミュニケーションに対してどんな新しいアプローチを見つけるのかを楽しみにしているのだが、いつも通り、どのセクションに対してでも提案を聞けるのは嬉しいことだ。
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