※この文章はジャッジ向けです※

ジャッジ向けblog、What’s Up, Docs?内のKevin Desprez氏によるEfficiently Watching Magicの記事の和訳です。氏はたびたび、日本のグランプリでヘッドジャッジをされている方です。

原文はこちら
http://blogs.magicjudges.org/whatsupdocs/2015/04/28/efficiently-watching-magic/
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効果的なマジックの観戦の仕方

私は昔々競技プレイヤーでした。プロツアー予選のジャッジをするのは、そのプロツアーの参加権を持っているときだけでした。つまり、試合を観戦するのが大好きだということです。緊張感 のある試合を見ているのはワクワクします。PT ラブニカへの回帰での Eduardo Sajgalik と Shi Tian Lee の準決勝を覚えています。どちらにも戦略的な選択肢がいくつもあり、裏目に出 る可能性も高く、ミスプレイを取り返せるチャンスもたくさんありました。 多分、私は少数派なのかもしれません。他にもハードコアプレイヤーだったジャッジを知っていますが、ほとんどはそうではないでしょう。

昨年、私はトーナメント運営中にもっと観戦しようよと呼びかけてみました。かなりの数のジャッジが、自分は何が起こっているかわかるほどマジックをやりこんでいないので、観戦することは退屈だと教えてくれました。ならば、観戦をより興味深くできるコツをいくつか教えましょう。


【基礎】ライフは合ってる?
もっとも簡単にできることです。卓についたら、両方のプレイヤーのライフメモを見て、合っていることを確認します。今の環境では、フェッチランド、ペインランド、ショックランドや《思考囲い》が使われているので、かなりの不一致を見つけることでしょう。Guillaume Beuzelin がこのチェックを意識して行ったところ、1ラウンドに 5-10 個もの不一致を見つけることができたと報告してくれました。

また、ライフが合致していても墓地のカードをざっと眺めて本当に合っているかどうかを確かめることができます。クリーチャーでの戦闘が無ければ、簡単にできることですよ。


【基礎】今は何ゲーム目?
ラウンド終了に近づくにつれ、どちらのプレイヤーが優勢であるかを知ることは遅延行為かどうかの判断に重要です。劣勢のプレイヤーが遅いペースならば、遅延行為は無いというわけです(でも、遅いプレイかもしれません)。関連して、卓についたらプレイのペースを確認しておくことは非常に役立ちます。プレイヤーからのアピールであなたが遅いプレイかどうかを確認し始めたとしたら、実は適切な対応をとるには遅すぎたかもしれません。

遅いプレイと遅延行為に関しては、ここにもっと情報があります(http://blogs.magicjudges.org/whatsupdocs/2012/12/09/tournament-error-slow-play/)。(リンク先は英語)


【基礎】1ゲーム目のサイドボード候補のカード
特定の色対抗カードがメインボードに入っていることはあまりないです。たとえば《異端の輝き》が1ゲーム目の手札にあるとしたら、自分の誤りを隠そうとしていないかどうかデッキリストを確認する意味はあります。 GP デンバー2015 で Steven Zwanger は1ゲーム目の観戦中に《異端の輝き》に気づきました。 それはすぐさま占術でライブラリ下に送られたのです。おやっと思ってデッキリストを確認したところ、メインボードには入っていませんでした。プレイヤーにメインボードに入れているかど うか確認したところ、「はい、入っています」と返答がありました。ヘッドジャッジは、プレイヤーは懲罰が【マッチの敗北】だと考えて、罰を受けないように意図的にジャッジに申告しなかったと判断しました。現在の対戦において有利かもしれないが、意図的には使用するつもりが無かったにも関わらず、懲罰を回避するためにジャッジに言わなかったという事実により、【非紳士的行為―故意の違反】(違反の隠ぺい)で失格となりました。


【基礎】戦闘のダメージ(courtesy of David Lyford-Smith)
大きな戦闘において、ダメージ量を自分で計算して、プレイヤーの宣言と合うかどうか見てみましょう。複雑な盤面だと、なにか見落としがあるものです。 合っていなければ、隠れている絆魂(または、見えている《エレボスの鞭》)、パンプ、カウンターのような隠れた要素を見落としていないか確認しましょう。もちろん、頭の体操としても良いですね。


【基礎】土地のセット(courtesy of David de la Iglesia)
プレイヤーはまず土地をセットしてから、熟考したり、スペルを唱え、能力を起動、攻撃したりします。その後に「あれ、土地置きましたっけ?」と聞きますが、誰も覚えていないことがままあります。例えば PTブリュッセルの6ラウンド目に Patrick Chapin が、2つめの土地をプレイしたのですが、誰も気づきませんでした。

試合内容に意識を集中させたまま、この土地のセットをルーチンワークとして観察するには、プレイヤーが土地を置いたら右の人差し指を伸ばす、対戦相手のターンではそれを戻して、今度は左の人差し指を伸ばして記憶しておきます。「土地置いたっけ?」という問いに、あなたの指の状態で回答できるわけです。

それでも不確かならここに示した手順で(http://blogs.magicjudges.org/whatsupdocs/2014/12/17/from-counting-cards-to-reconstructing-game-states/)より詳しく確認することができます。(リンク先は英語)


【上級】カード枚数の確認
とりわけゲームの序盤であれば、【過剰なカードを引いた】かどうかを確認するためにドローした枚数を確認することができます。追加のドローが無いなら差は1枚のはずです。もし違うならどちらかのプレイヤーがマリガンしたか聞いてみましょう。

面白いことに、この頃は手札をシャカシャカするプレイヤーが多いので、カード枚数を確認するのが容易になっています。

より詳しいカード枚数の確認手順はここにあります(http://blogs.magicjudges.org/whatsupdocs/2014/12/17/from-counting-cards-to-reconstructing-game-states/)。(リンク先は英語)


【上級】現在のゲームの焦点は何ですか?(courtesy of David Lyford-Smith)
プレイヤーがイカサマを行う動機になりえることを理解するために、現在のゲームにおける焦点は何かを探してみます。例えば地上が膠着して飛行クリーチャーがクロックを刻んでいる状況ならば、対抗する飛行クリーチャー/除去スペルが、シャッフル時のイカサマをそそります。

焦点が関連している例を見てみましょう:AP には7つの土地があり、変異を唱え、次に沼を2つだけタップし墓場の3枚のカード全てを追放して《スゥルタイのゴミあさり》(コスト 5B)を唱え、《まばゆい塁壁》のタップ能力を起動する2マナを残しました。

故意の違反でしょうか?しかし、NAP に対する主な脅威は、AP のアンブロッカブル・クリーチャーで《塁壁》により毎回それをタップさせていました。飛行の 3/3 クリーチャーは、もちろんアドですが、ゲームを決定づけるほどではありません。これにより有利にすすめることが出来 ますが、いなくても負けるわけではありません。

このケースは PT 運命の再編で起きました。上記を勘案することにより、私はこれはイカサマではなく意図しない間違いだった、と結論を出しました。



さあ、これで観戦しない言い訳が無くなりましたよ(^_

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